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第102話 ララ・フランシス1

 ぽっかり真空になったみたいに、週末の寮内は静かだ。父に手紙でアルファ探しの件を責められて以来、ハルは休日になっても家に帰らなくなっていた。  約束どおりにトーリスの部屋をハルが訪ねると、ララとウィリスが先にきていた。 「ウィリスもトーリスに呼ばれたのか?」  ララの隣りにウィリスがいるのを見ると、胸が痛む。モーリジィの一件から少しぎこちなさを残した関係になり、同時にウィリスのダイアログが出る頻度が、少し減った気がしていた。ハルのウィリスに対する好感度が上がっていれば、もう無理をしてまで取り入る必要はないと判断されたとしても驚かない。  そんなことを考える自分が汚れていくようで、ハルは嫌だった。  しかし、ハルの疑問に答えたウィリスは、淡々としたものだった。 「俺は、今日は見届け人なんだ」 「見届け人? 何の?」  クリケット大会以降、ハルを避けるわけではないものの、何か思い詰めたような表情を見せるウィリスを、ハルはなるべく視界に入れないようにしていた。  同時に、これではララとした約束を破ってしまうことになるな、と思う。  トーリスのハルへの用事を、ウィリスが見届けるのだろうか。そんなに重要な話なのに、いったい何がはじまるのか、さっぱり見当がつかないハルは、ウィリス、トーリス、ララの順に硬い表情をした三人を順に見た。 「ハル」  口火を切ったのは、付属だと思っていたララだった。 「今日はぼくの我が儘に付き合わせる形で、ロイエンバーム兄弟にいてもらっています。ぼくの今からする話と、無関係ではないから……。あなたを呼んだのは、ぼくなんです」 「ララが?」  ということは、ウィリスとトーリスは事情を知っているということになる。週末まで数日あったはずなのに、ウィリスが何事も打ち明けてくれなかったことに、ハルは憂鬱になった。 「それで、話って何なんだ?」

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