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第130話 『放課後お茶会クラブ』7
「──先輩がおれの部屋に落としていったのは、確か水色の小瓶でしたよね?」
「あ?」
その瞬間、モーリジィの顔色が変わった。
「これぐらいの。液体がまだ少し残っていたっけな。招待される前から情報が漏れていたのは、他の三年生の先輩がたの誰かから聞いたんでしょうね? もしおれがあなたを誘わなかったら、無理矢理乗り込んでくるつもりでしたか?」
ハルが喋り出すと、テーブルに置かれていたグローブのような手小刻みに震え出した。その様子に、ボディブローが確実に入ったのを確信したハルは、さらに言い募った。
「いいんですか? おれに乱暴なんかしたら、この事件があなたの仕業だとわかってしまいますが。モーリジィ先輩」
「何のことだ」
「シューボックスの隙間に仕込んだ小瓶のことですよ。あなたの指紋がばっちりついている」
「っ……のガキが! 望みどおり今から犯してやる!」
テーブルに手をついたまま、モーリジィは吠えた。ハルはいつしか自然に悪役令息風の冷笑を浮かべ、モーリジィを挑発した。
「おれに手を出したら、あの小瓶はしかるべき筋に渡るようにしてありますが? あなたが開けるはずのないシューボックスの扉と、あの小瓶についていた指紋は残らず採取して、証拠として保管してあります。小瓶の中身も分析にかけたあとで、安全な場所に隠してあります。おれがあなたに痺れ薬を渡したのなら、あの小瓶にはおれの指紋が付いていなければおかしい。重ねてシューボックスの扉に、あなたの指紋が付いているのはおかしい。違いますか、モーリジィ先輩」
「貴様……っ、殺してやる!」
ハルの「小瓶」というパワーワードは、モーリジィを激昂させるのに十分だったようだった。モーリジィは唸りを上げてテーブルの右へと回り込んだ。ハルが急いで席を立ち、右へと回り込むのを見ると、次に左へと回り込んでくる。
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