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第134話 『放課後お茶会クラブ』11

「うっ!」  ハルではなく、次はパリスの顔のすぐ前で鈍い音がする。振り返ると、パリスの顔が真っ赤に染まっていた。鼻血を出したまま蹲るパリスにもう用はないという顔をしたモーリジィは、ハルの方へ視線を移動させると、下種な笑みを浮かべた。 「ここからがいいところなんだ。邪魔させるかよ……!」  下着に手をかけてきたモーリジィの下でハルはめちゃくちゃに暴れ出した。パリスの拘束が緩まったおかげで隙間ができたが、どう後ろ手に腕を締め上げたのか、上着が絡まってなかなか自由にならない。 「くそっ、離せ! 離せぇっ!」  今さらながら、どうしてウィリスに打ち明けなかったのか、後悔が募る。転生者同士なら協力を要請すれば、ウィリスなら受けてくれたかもしれないのに。  でも、信じきれなかったのはハルだ。ウィリスが何者かわからなくても、告白しておけばよかった。きみが誰であってもそんなの関係ないと、誰であっても好きになったと、言えばよかったのに、プライドと猜疑心が邪魔をして、頼る選択肢を選べなかった。それが敗因だと思った。 「触るなっ! いやだ! やだっ!」  壊れていく。積み上げてきたはずの全てが。  好感度の上がり方に、奢りがなかったか。  自分の実力を過信していなかったか。  薬で誰も動かない状態で、いくら声を張り上げても助けに入る者はいない。ひとりで抵抗する声を響かせながら、無為に犯されてゆく。  火がついたようになりながら、やがてこれ以上、足掻くのを止めようか、と思う。これ以上抵抗しても、不利になるばかりだ。もしモーリジィに大人しく従えば、少しは優しくしてくれるだろうか。拷問のような責めが続いたら、どこまで耐えればいいのだろうか……。  悔しさに涙が出てくる。  あの「神」の言ったことなど、全部嘘っぱちだと思った。 「お、願……っ、も、やめ……っ」  唇を噛んで、モーリジィの強い指先に、愛撫とも言えない乱暴な仕草で快楽を掘り起こされる。乳首を嬲られて、赤くしたそれを爪で弾かれ、耳の中に舌を入れられると、嫌悪感でいっぱいになった。

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