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第147話 顛末1

 のちにこの事件は、「『放課後お茶会クラブ』暴行未遂事件」として立件されることとなった。  事情聴取の上、モーリジィは退学、パリスには懲戒免職が言い渡され、その上で二人とも司直の手に委ねられることとなった。頑強に抵抗するかと思われたモーリジィは素直に罪を認め、パリスも憑き物が落ちたように大人しく取り調べに応じているという。  ハルとロイエンバーム兄弟、そしてララの四名も、学院側から厳重注意を受け、十日間の謹慎処分となった上、『放課後お茶会クラブ』は取り潰しの決定が下された。  幸いだったのは、痺れ薬を盛られた者のうち、誰ひとり後遺症が残らなかったことぐらいだった。 「結局、お茶会は最初の一回きりしかできなかったな」  ハルがため息をつくと、机に向かって反省文を書いていたウィリスが振り返った。 「みんなで楽しくやろうと思えば、方法はいくらでもある。梅干しと昆布茶持参で、今度は家に招待してもいい」  ハルはベッドサイドに座り、ウィリスと目を合わせた。ピコン、と音が鳴り、ダイアログが表示されるのを、震える手で消しながら、まだ素直になれない自分に焦れていた。 (ありがとう、助けてくれて)  たったそれだけの言葉が発せられない不便さを、ハルはまだ患っていた。そんな中、ウィリスとハルは話し合いを重ね、トーリスとララに自分たちが転生者であることを告白していた。  トーリスもララも死ぬほど驚いていたものの、それまでの経緯と照らし合わせて、どうにか信じてもらえることとなった。トーリスは兄に別人格が宿ったことにかなりショックを受けていたが、ウィリスの中にも、ちゃんと幼い頃からの記憶があることを何度か試して確認したあとは、今のウィリスを兄として受け入れることができるようになったようだった。

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