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第163話 愛咬3(*)

「ぁ……ん」  あるのかないのかわからないぐらいの、慎ましやかな胸の飾りに触れられる。  モーリジィに無理矢理弄られた時は嫌で仕方なかったのに、ウィリスが相手だと、ちょっと擦れただけで、甘い疼きが這い上ってくる。  ピンと勃ち上がった両方を舌と指先で捏ねるようにされて、脊髄の奥に、流出させ難い種類の甘い衝撃が溜まりゆくのに悶えた。ハルは早くも反応してしまっている前を、恥じらいながらウィリスの腿にそっと押し付けざるを得なかった。 「もう、い……っから」 「お前が満足しないと意味がない」 「……っる、して、してる……っ」  順序を踏むのを躊躇うぐらい、焦れる。満足なんて、触られるたびにしている。体温を重ねるだけで心臓が飛び出しそうになっているのを、ウィリスだって知っているはずなのに、とハルは涙で濁った視界にウィリスの顔を捉え、思った。 「お前の髪が好きだ。蜂蜜色の柔らかく腰があるところが。強気なくせに、揺らぐと繊細な光を宿す眸が好きだ。まっすぐな鼻筋も、笑うと朱色に染まる唇も、照れると桃色になる耳も、身体も、心も、全部」  ウィリスの言葉に重なるように、ピコン、ピコン、といくつものダイアログが現れる。ウィリスの側も、そうなのかもしれない。自分の状態はわからないのに、互いに相手の心の変化が見えてしまうのが、本音を露わにさせられるようで、少し怖いとすら思うほどだ。  でも、今はウィリスを信じられるから、それらの変化に、魂を震わせるほどの喜悦を覚える。 「さっきから、ダイアログが……」 「鳴ってるか? 俺も鳴っているが」 「自分が、スケルトンになったみたいで……、ちょっと怖い」 「嘘を見抜けるのは便利だな。……乳首、もっと触れてもいいか?」  言った途端にまたピコン、と音がする。 「聞くなよ、そんなこと……っ」  いいに決まっているが、ウィリスにはどう見えているのだろう。あさましすぎて、幻滅されたり、不埒だと思われたら怖い。

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