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第165話 愛咬5(*)

「れも……、お、れも、きみと、同じ……っ」  もう、今日は最後までしてしまうとわかっていた。発情期に一度だけ交わったきり、あとは互いに性器を扱き合ったり、触れ合うだけしかしてこなかったけれど、気持ちが通じ合った今、それだけでは済まないだろうという予感が、確信に変わる。 「お、れの、方が、ウィリスが、欲しい、し……っ、おれの、方が、きっと、きみを好きだ……っ」  ピコン、とまたダイアログが重なる。もうたくさん重なりすぎて、全部に「はい」を選んで消しても、何分かかるかわからないほどだ。 「それには異論があるが、どちらが先にカンストするか、勝負するか?」  言って、覆いかぶさってくるウィリスが、貪るように唇を重ねる。 「ん……んー……っ」  キスが好きだ、とハルは思った。ウィリスの舌先がぬるりと入ってきて、ハルを暴こうとする。発情しているわけでもないのに、下肢がぎゅっと疼いて、早く中を逞しいものでぐちゃぐちゃにしてほしくなる。 「はぁ……ん、は、ふぁ……っ」  触れられるたびに新しい快感が更新されてゆく。  身体の側面を撫でられ、膝を片方、上げさせられ、肩に担ぐようにされると、限界まで内腿を開かされる。  でも、全然嫌じゃないどころか、そうして欲しいと願っていることに気がつく。 「下、触るぞ……?」 「んっ」  身体を斜めに折り曲げられて、苦しいはずなのに、どこかその感覚すら愛おしい。ウィリスが探るまでもなく、後孔はハルの気持ちを代弁するようにあさましく濡れていた。  ハルの前は、蜜を吐き出すようにトロトロと透明な雫を垂らし続けていた。オメガが欲しがるとそうなる、と性教育で習ったけれど、いざ自分がその立場に置かれると、消え入りたくなるほど恥ずかしい。

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