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お風呂に入りたい

「湯加減どうです?」 「悪くない」 「それは良かった」  魔王が風呂に入っているうちに洗濯を済ませてしまおうと、キースは服を脱ぎ捨てて樽に投げ込んだ。できれば魔王の服も洗いたい。 「貴方、服脱いで貰えます?」 「面倒だ」 「いいから脱いで」  浴槽の魔王に手を伸ばすと、その腕を掴まれ、そのまま引き込まれる。まさかの行動に、気を抜いていたキースはそのまま浴槽へと落ちてしまった。 「貴方ねえ! 何するんですか」  こんな悪戯じみたこと、子供くらいしかしやしない。魔王は顔色一つ変えずにキースの腕を掴んで引き寄せた。狭い浴槽ではそのまま魔王の胸に転がり込むことを意味する。 「な、に」 「脱ぐのは面倒だ」  ――ああ、服、脱がせろって?  それにしてもこんなやり方――。 「もしかして貴方、城で女性をこんな風に扱っていたんですか」  魔王の性事情は知らないが、ここまで人間臭いと、そう変わりはないのかもしれないと思ったからだ。言われた通りに服を脱がすが、その下に見える体の作りも肌の色を除けば人間と変わりなく思える。 「人間の女はすぐ壊れる」 「っ、乱暴にしたんでしょう!?」 「まあ人間そのものがすぐ壊れるからな。壊れないのは貴様くらいだ」  不意に顎を掴んで顔を引き寄せてくる魔王の手を振り払って、お返しとばかりに魔王の首を掴んだ。 「私は女性ではない」  睨みつけてやったが、魔王は喉の奥で笑うと、キースの首を掴んでくる。肌に食い込む爪の痛みに目を細めるキースに、魔王はまた喉の奥で笑う。 「試してみるか」 「断る」

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