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魔王の事情 4
相変わらず甘い。けれど、これまでよりもキースが魔王に身を預けて舌を絡めてくるので、より甘かった。
――これが覚悟、か?
ぞくぞくと身体中を這いあがってくる支配欲にかられてキースの口腔を思うさまに蹂躙すると、キースは時折心細げな喘ぎをあげた。それがまた、快い。
「ん、ぁ、ぁ」
この声をもっと聞きたくて口を解放すると、キースの体がずるりと地に崩れ落ちた。
自分をたたきのめしたキースが、今は足元にいる。笑いだしたい程に痛快なのだが、それよりも息が乱れて仕方がない。発情期はまだのはずだが、その時よりも欲情している。キース
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