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魔王の事情 4

 その瞬間、だった。  突如として現れた冷気が魔王の頬をかすめ飛んだ。  一瞬で我を取り戻したキースが魔王から跳ねのき、服と剣を掴んで木の影に隠れた。魔王は舌を打ちながら振り返る。  そこには殺意をたたえた目で魔王を睨む、弟子が立っていた。

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