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元勇者の事情
「あっ、ああ、も、むり……っ」
「覚悟しろ、キース、注ぐぞ――っ」
嫌だと言っても意味などないのだろう。キースはサラギの首にしがみつき、その迸りを受け止める。
「あ、あつ、熱、い――」
吐き出される感覚は更にキースをぞくぞくと快楽へ落としこんでいく。まるで女のように体を開いて、サラギに暴かれ、性を注がれた。サラギにとってただ一つの執着のように求められた。
散々擦られた内壁に熱く注がれた液が絡みついて、ざらりと垂れ落ちてくる感覚に、キースは全身で震えて、それから果てた。
「んっ!」
耐えきれなかった欲望がサラギの腹を濡らして垂れ落ちた。
薄青の肌を、キースの白い欲望が染めていくのを見つめるとまた体が昂りそうで慌てて目を背ける。
「俺に注がれて悦ぶとは、貴様、随分乱れた体をしているな」
「……黙れ」
「これで貴様は俺のものに間違いないだろう」
サラギは見たこともないほどに満ち足りた笑みを浮かべていて、それはキースをも満たした。
同時に凄絶な欲望を抱いて、キースはそっと笑う。
――貴方こそ、私のものですよ。
きっとサラギは分かっていないだろうが。
キースを欲すれば欲するほど、サラギの艶は高まりキースの雄を刺激するというのに。今は抱かれることに甘んじてやるが、このままにするつもりはない。
――まあでも、今は貴方のものになりましょうか。
求められる熱は、恐ろしく心地よかったのだから。
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