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第18話

風呂から上がりさっぱりした俺は、スマホをつけた。すると小林からメールと電話が数件通知されていた。 メールを開き内容を見ると体調の変わりが無いかの確認が送られてきていた。 俺が返信をすると直ぐに既読が付き、電話が掛かってきた。 「小林です。暁さんやっとメール見たんですか。本当に体調は大丈夫ですか?」 そんな、あまりにも過保護すぎる心配ように俺は笑ってしまった。 「…なんですか?何がそんなに面白いんですか。」 「いや、お前。過保護すぎ。大丈夫だよ。お前のお陰でもう元気だよ。」 「…そうですか。ならいいです。では。」 少し照れながら電話を切ろうとする小林に俺は思わず声をかけた。 「待って。」 「はい?」 「今日…仕事が終わったら俺の家に来れない…?」 「…。」 何処か気恥ずかしくて。少しずつ声が小さくなりながらも俺は小林を誘った。 すると小林は何か言いたげだったが、何も言わずただ「分かりました」とだけ答えた。 電話を切り、自分の思い切った行動に息を吐いた。誘ってしまった少しの後悔でなんとも言えない。 告白の答えなんてまだ分からないが、何故か無性に小林に会いたくなった。 それだけの理由で会うことを小林が知ったら怒りそうだが、だから会いたい気持ちを正直に伝える事は無いだろう。 ◆◇◆◇◆ 小林が尋ねてくる頃にはいつも通りの心持ちへとなっていた。 チャイムが鳴り玄関の扉を開けるといつもと同じく綺麗な身なりをした小林が立っていた。 小林を迎え入れ昨夜の様にリビングに行く。 しかし、リビングへ入るドアを開けようと立ち止まった瞬間、後ろから小林に抱きつかれた。 俺は訳が分からずその場に硬直した。 「ど、どうしたんだよ…」 恐る恐る声を掛けると更に強く抱きしめられた。 「...好きな人から家に誘われたんです。期待するなっていう方が無理ですよ。」 そう耳元でささやく小林の息がとても熱く感じる。 俺は小林の腕を振りほどき、小林と向き合った。目の前には理性と己の本能がせめぎ合った顔をした、小林が俺を見下ろしていた。 そんな普段は絶対に見ることのない小林の顔に心臓がドクドクとうるさくなり始めた。 「暁さん…。告白の返事聞かせてください。じゃないと貴方にキスが出来ない…。」 そう言いながら顔を近づけてくる小林に、俺は反射的に目を閉じた。しかし、予想していたことは起こらなかった。 ゆっくりと目を開けると、小林が口角を意地悪くつり上げて俺を見ていた。その顔から、からかわれた事に気づいた。 「…お前」 「どうしましたか、期待しました?」 分かりきっている事をわざとらしく聞いてくる小林に、お返しとばかりに彼の頬に触れるだけのキスをした。 「っ…!暁さん」 驚いた小林に俺は「これで察しろ。」とだけ言いリビングに入った。

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