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ギャップ王子 2

自分がそんな風に注目を浴びているなんて、想像もつかないのだろう。それがコイツのいいところなんだろうけど。 「わかってないなあ、お前。ほら、さっきすれ違った女の子、お前に見とれてたぞ」 「いやだなあ、そんなわけありませんよ。あの女性は、那津さんを見ていたんですよ」 真顔で返され、それ以上言う気が失せる。 「僕も……那津さんに見とれてますけど……」 「え、なに?」 聞き取れなかったので問い返すと、小次郎は慌てた様子で「あ、いえ、なんでもないです!」と言う。そして、向かいの通りを指差した。 「那津さん、あそこにペットショップがありますよ。少しのぞいてみませんか」 「まじで? おおっ、ほんとだ! 俺、可愛い小動物って超好きなんだよなー。入ろうぜ!」 思わずはしゃいでしまい、勢いよくショップの扉を開けたとき、同時に店内から出てきた客と接触しそうになった。 小次郎が那津の腕を引き寄せてくれたおかげで、難を逃れたのだが、一方でその紳士的な振る舞いに驚く。とても自然な行為に感じたからだ。 小次郎は、那津の予想を遥かに超えて、ずっと大人なのかもしれない。

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