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ギャップ王子 6

「あっ、いいですね~。ばっちりですよ、那津さん! あー、お前たち、那津さんのいい引き立て役になってくれてるな~。――おお! いいアングル、いただきます!」 オタク感丸出しで勝手にパシャパシャやってる小次郎は無視して、那津はしばらく猫たちとイチャイチャする。 しかしさすがというか、この小次郎の実家の猫たちは、予想通り血統書付きの品種のようだ。 アビシニアンとアメリカンショートヘア、スコティッシュフォールドの三匹の猫たちは、この部屋の豪華なインテリアの一部の様に溶け込んでいる。 猫と触れ合える喜びで興奮して、その頭が徐々に落ち着きを取り戻した頃、那津は改めて室内を観察した。 那津が猫を抱えて座っているソファーは、ひじ掛け部分に豪華な装飾がされていおり、合皮などではなく、本革張り仕様のようだ。 室内の家具や調度品も、なんだか高そうだし。 やたらに高い天井から(中心が丸く引っ込んでてデザインも凝っている)吊り下がっているのはやたらめったらキラッキラしたシャンデリアだ。 過去に遊びに行った友達の家のリビングに、こんな風にキラキラしたシャンデリアがぶら下がっていたことは一度もない。 ――落ちたら大惨事だな…… それほど巨大なのだ。 ――相当の金持ちってことだよな、小次郎の父ちゃん。もしかして社長とか? そしたらこいつは社長の息子で、いずれ後を継いで……。 相変わらず小次郎は真剣に変な体制で、しかし満面の笑みでパシャパシャ撮り続けている。 黙って立っていれば、モデルと見紛う容姿のくせに。

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