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友情の意味 2

「那津さん」 あやすような、優し気な口調がくすぐったくて、顔を上げる。 その先には、びっくりするほど優しい笑顔の小次郎がいた。 「いつも僕に言ってくださいますよね、自信を持てって。そのセリフ、そっくりお返しします」 「小次郎……」 なんだろう、涙が出そうだ。悲しいわけじゃなくて、嬉しいんだ。 「それと、那津さん」 「えっ、なに」 せっかくキリリとしてカッコよかったのに、一転、小次郎はなぜだかモジモジしている。 「あの……。本当ですか? その……僕と一緒にいるのは、その、すごく、楽しいっていうのは……」 那津は、つい本音をぶちかましてしまったことに気づく。気づいて後悔しても遅いけれど。 言葉を発する前に、カーッと体中の血液が顔に集まるのを感じた。 ――なんだ、なんだこれ、もんのすごく、照れ臭い! つーか、恥ずかしいんだけど! 「そ、それは、口から出まかせで……」 「つい、本音が口から出てしまったんですね~」 「聞けよ!」 「すごく嬉しいです! 僕だって、那津さんと一緒にいるのが楽しくてしかたがないんですから! いつも時間を忘れてしまうんです」 がばっと手を取られ、那津の両手は小次郎の両手に包まれる。 周囲に人気はないけれど、万が一目撃されたら、あらぬ誤解を受けそうな状況だ。 「ちょっ……」 「……僕、那津さんに会うといつも思ってしまうんです。このまま、時間が止まればいいのにって。いつまでも、那津さんと一緒にいたいって……」 「こっ、こじろ……」 夕日のせいで、那津の顔が赤いことは、バレていないかもしれない。 けれど、那津も同じ気持ちだった。 小次郎と会うと楽しくて時間を忘れるし、ずっと一緒にいたいと思っていた。 小次郎はモジモジしてるし、那津は照れくさくてしかたがない上にそのモジモジが伝染しそうになり、二人でしばらくその場に立ち尽くしていた。

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