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障害? 3

早くスイーツが食べたい二人に引っ張られながら、校門を抜けようとするが、やじ馬が邪魔でスムーズに進めない。 そもそも、赤いスポーツカーがでん、と真ん中に停車しているおかげで、生徒は避けて歩かないとならないから、余計に渋滞を引き起こしているのだ。 「こんにちは、那津君」 名前を呼ばれて、反射的に振り向いた。 トレンディードラマかぶれの女が、こっちを向いて笑っていた。 ――え、誰? なぜ、女が自分の名前を知っているのかわからず首をかしげた。 付き合った覚えもないし、もしかしたら過去に面識があった相手なのかも、と記憶を探ってみる。 けれど、思い出せない。知らない女だ。 那津の反応を面白がるように、女は口元で頬笑み、サングラスを外した。 「あなたと二人で話したいんだけど、少し付き合ってくれない?」 「あんた……小夜香さん?」 目前の女に、先日小次郎の実家で会った時の、清楚な雰囲気は微塵も感じられなかった。 女はメイクとファッションでこんなにも印象が変わるのだと、最大限にわかりやすく表現した見本のように。 年齢も、二十歳くらいの印象だったが、もっと上かもしれない。 小次郎もそうだけど、金持ちってのはみんな一風変わった人種なんだろうか。 そんな妙なところに、小次郎と小夜香の共通点を見た気がした。 小夜香は那津の心の声など知らずに、にっこり微笑んでいる。 「さすが那津くん。可愛い子をエスコートしてるなんて。ねえ、あなたたち、那津くんを少し借りてもいい?」 ――俺と会うのはこれが二回目なのに、なんかなれなれしいな…。 イチカとハナに話しかけた小夜香をガン無視し、那津は二人の腕を引っ張って再びスタスタ歩き出した。 「さ、早く行こう。腹減ってきたし、ここにいると、変なのに感染する」

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