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極甘の夜 8
小次郎の顔は紅潮し、息は荒く、ベージュのパンツに覆われた股間はパツパツに盛り上がっている。
同じ性を持つ男同士なのだ。相当我慢しているのがわかる。
無意識に那津の喉が鳴った。
そして、自分のあられもない姿を前にして小次郎が尋常じゃないほどに欲情しているのが何より嬉しかった。
好きだと言ってもらえて、伝えられて幸せいっぱいなのに、男同士という事実がは那津の頭の隅に常にあった。
小次郎がいくら那津を好きでも、実際身体を見たら萎えて引いてしまうんじゃないかと恐れていた。
でも、それは杞憂だったのだ。
「んう……ん」
「……三本目入ったよ……熱くて指が焼けそう」
小次郎が苦しそうに言う。
那津も、息も絶え絶えなのだが、それよりも早く、小次郎に気持ちよくなって欲しい。その気持ちが強かった。
その、愛しい男を求めて両腕を伸ばした。
「こじろ……もう、こい、よ……もう、挿れて、入ってきて……」
「那津さ……」
躊躇いがちな息遣いの後、性急にジッパーを下ろす音が耳に届いた。
間を置かず、小次郎の張り詰めた漲りが、那津の菊蕾に熱い先端を突きつけた。
「……んぁっ」
「那津さん、大丈夫だから……できるだけ力を抜いて」
息の多く含まれた声で囁かれ、那津はコクコクと頷く。
小次郎の劣情が、ゆっくり狭い入口をめりめりと押し広げる。
それは蛇行して、少しでも進みやすい場所を探しながらズブズブと入ってくる。
「はっ……あっ、あ……あ……」
那津は目一杯身体を仰け反らせ震わせながら、強烈な威圧感に耐えた。
顎ががくがくと震える。
二度目の限界が近い那津の中心を強く握られ、苦痛と官能の狭間を、ただ泳ぐしかなかった。
「あ、やっ、あっ」
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