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極甘の夜 9

「ごめん、那津さん、息吐いて、ちょっとがんばって」 巨大な熱い塊が、腹部を占領する。 那津は苦しくて熱くて、はあはあと喘いた。 「苦しいよね……でも、那津さんの中、すっごく気持ちいい……」 耳元で囁かれ、つい中の小次郎を締めつけてしまう。 くっ、と苦しそうな声が上がった。 「動け、よ、こじろ……」 「でも、那津さん……」 小次郎自身を受け入れただけで苦しいし、張り裂けそうに痛い。 けどそれよりも、小次郎に喜んで欲しい。 見上げた小次郎の顔は汗だくで、眉間に悩ましすぎる皺を寄せ、瞳が潤んでいる。 「俺ん中で、お前に……気持ちよくなって、欲しい、から……だから、早く……」 間があり、一瞬の息を呑む気配の後、硬い漲りがずるりと後退した。 「あっ、だめだ」 苦しいのに引き止めたくて、腰を上げると、再び沈み込んできた。 「那津さん………好き」 「やあぁ……あ……」 那津をいたわるようにゆっくりだったその繰り返しが、徐々に速度を速めていく。 「はっ、あっ、あっ、あっ」

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