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幸せな朝 2
「那津さん……身体は大丈夫ですか」
「おま……え……起きて……」
かすれた声しか出せず、こほこほと軽い咳が出た。
「那津さん、声が……」
――お前のせいだろ!
那津は咳き込み、涙目になりながら胸の内でツッコんだ。
昨夜、小次郎に身体の隅々まで執拗に愛撫された。
強すぎる快感に耐えられず、泣いて懇願しても繰り返し与えられる愉悦と責め苦に、那津は普段なら決して出さない域の声を、何度も何時間も、上げ続けなければならなかった。
「ごめんなさい、那津さん、僕、昨夜は……タガが外れたというか、あの……あまりにも嬉しすぎて那津さんが可愛くて好きすぎて、我を無くして暴走してしまいました……。本当に、ごめんなさい……」
背後から頬ずりされて、さらに密着度が増す。
とろけるような甘い声で、そんな事を言われても、この胸はきゅんとするだけなのだが。
「べつに……怒ってない……平気」
上手くしゃべれない代わりに、小次郎の腕をギュッと両手で包んだ。
「那津さん……あ、待っていてください。お水を持ってきますね」
温かい身体がするりと離れ、小次郎がベッドから降りる。
那津の身体は拘束から解かれたというのに、キッチンへ向かう後ろ姿を見ていたら、早くも戻ってきて欲しいと思っている自分がいた。
那津はぼんやりしながら、ああ、俺はもうこいつと離れられないんだな、と実感した。
「那津さん、麦茶とミネラルウォーターどちらがいいですか」
「ミネラルウォーターがいい」
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