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ハナとイチカ 2

「なっちん、ホントにホントによかったね……。おめでとう!」 ハナに勢いよく抱きつかれ、ハナの柔らかい感触と体温を感じた途端、ウルっときそうになる。 「ちょ、ちょっと! そりゃおめでたいことだけど、そこで抱きつく必要あるの?!」 イチカが、なぜか焦ったように騒ぎ出した。 どうしたんだイチカのやつ、と思いつつも、那津は感謝の気持ちを込めてハナの華奢な身体をギュッと抱きしめた。 「ありがとね、ハナ。ハナが応援してくれたから、勇気が出せたんだよ、俺」 ハナが、大きな瞳をさらに大きくして、那津を見上げた。 「……ほんとに?」 「うん。負けるなって言ってくれただろ」 ハナの顔が、驚いた表情からみるみる笑顔に変わる。 那津はハナの耳元に口を寄せると、そっと囁いた。 「ハナの気持ちも、伝わるといいね。俺ホント応援するからさ」 「な、なっちん……」 ハナは急に恥ずかしくなったのか、那津の胸に顔を埋めてしまった。 「あ、ごめんねハナ……」 助けを求めて顔を上げると、もの凄い形相のイチカと目が合う。 ーーなんか、怒ってる? 「い、イチカ?……顔が怖いんだけど」 「いーつーまーでー引っ付いてんのよ! あんたたち! なっちんはこの後デートなんでしょ! さっさとイケメン彼氏の元へ行きなさいよ! ほら、ハナはもう離れなさい!」 「んー、いーやーだー」 「嫌じゃないの! はーなーれーなーさーい~~」 「ちょ、ちょっとー! 痛い痛い!」

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