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第32話

陽茜(あきね)side 事が起こったのはあの白い封筒から3週間がたった頃、陽仁(あきと)が生後7ヶ月を迎えた頃の事だった。 いつものように最近様子がおかしい眞仁(まひと)を「いってらっしゃい」と仕事に送り出し、掃除と洗濯を終わらせた午前11時、不意にインターホンが来客を告げる。 ここのマンションはオートロックで通りに面した1階の玄関も、エレベーターも部屋番号と認証カードがなければ開かないし動かない。寄って住人を尋ねるには中からロックを解除してもらうしかないのだ。 インターホンの画面に映し出されたのは知らない女性2人、嫌な予感がする。 「どちら様でしょうか?」 数秒前に感じた嫌な予感はまんまと的中することとなる。 『一条(いちじょう)眞仁の母、一条(すみれ)と眞仁の婚約者西園寺百合香(さいおんじゆりか)です。陽茜さんで間違えないかしら?』 なんとなく予想はしていた。つい先日眞仁に母親と揉めている。もしかしたらお前に迷惑がかかるかもしれないと聞いたばかり。それを聞いてここの所の嫌がらせの犯人もそれ関係だろうとは思っていた。 「今お通しします。」 そう言って玄関とエレベーターのロックを解除する。ここは20階建ての最上階、エレベーターは15階にいたからすぐには上がってこないだろう。その隙に俺は自分の感じた嫌な予感から陽仁をベビーベッドのある俺達の寝室へと隠す。 ピーンポーン きた。大丈夫何を言われようと屈しない。俺が眞仁と陽仁、そしてこの幸せな生活を守ってみせる。

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