4 / 7
終わらない二人きり。
「挿れるぞ」
「っ、ん」
苦しい――けれど下半身が震えながらも、男のものを受け入れていく。
「は、ぁっ」
誰もいない静まり返った世界に
俺たち二人は――置いていかれてしまったのか。
男のこめかみから汗が流れ落ちる。
俺は、男の首に腕を回し、耳に唇を押し当てた。
「っ、ぁあ」
「ふ、う……っ」
他の人の声なんて、息なんて――聴こえない。
ただ――世界に二人きり。
まるで時が止まってしまったような静けさの中
男の熱だけが、俺に現実感を与えてくれる。
「あぁっ……ま、さや……」
俺は、男の名を呼んだ。
ともだちにシェアしよう!