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終わらない二人きり。

「挿れるぞ」 「っ、ん」 苦しい――けれど下半身が震えながらも、男のものを受け入れていく。 「は、ぁっ」 誰もいない静まり返った世界に 俺たち二人は――置いていかれてしまったのか。 男のこめかみから汗が流れ落ちる。 俺は、男の首に腕を回し、耳に唇を押し当てた。 「っ、ぁあ」 「ふ、う……っ」 他の人の声なんて、息なんて――聴こえない。 ただ――世界に二人きり。 まるで時が止まってしまったような静けさの中 男の熱だけが、俺に現実感を与えてくれる。 「あぁっ……ま、さや……」 俺は、男の名を呼んだ。

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