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第9話 あったかいね

 ドラッグストアに行った日から、週に数回は都筑のお尻を解す?開発する?作業をするようになった。こういう事を、よく分かってない僕がこんなことしていいのか不安もあった。でも、「がんばったね」って声をかけてキスすると、本当に嬉しそうに微笑む都筑が可愛すぎて。  受験生がこんな事してていいのかなぁ…。 そんな話を都筑にしてみたら、「しながら問題出しあうとか!」って、凄く良いことを思い付いたような顔したんだ。集中できるわけないよ。 そんな突飛な事言い出す都筑も好きなんだけどね。同じお母さんから産まれたはずなのに言動も行動も似てない僕と都筑。 お腹の中では二人で一人だったんだから、同じ事言うわけないよ。それぞれ違う成分もって産まれたんだから。なんて簡単にいかにも当然の事のように言う都筑が羨ましい。僕はごちゃごちゃと考えてしまう方だから。 「肇…。俺、もう大丈夫だと思うんだけど…」 「何が?」 「何って…俺の目の前でおっきくなってるこれ。もう入るんじゃないかなぁ…」 「まだ、だめ。指2本広げられるくらいになったとこでしょ。都筑に痛い思いとか、ケガさせられないからね!」 本当はもう大丈夫かもしれない。 「んんっ、んっ、あっ、ねぇっ、肇ってば!」 だけど、もう入れちゃったら本当に最後の最後なんだよ。僕は絶対弟とのこの関係に溺れきっちゃうんだ。神様にだって、一緒に謝るって言ったのにね。まだ臆病な兄を許してほしい。 「もぉやなんだよ。俺ばっかり気持ちよくなってきて、肇いっつもズボンきつそうにしてて」 都筑が無理やりズボンを下げようとしてきた。  「都筑!まだ無理だってば!」 「もう無理じゃないから!だって俺お尻も気持ちよくなってるんだよ?俺ばっかりズルいじゃん!」 「ダメだって!都筑のお尻きれたら僕が泣いてやる!」 「肇のちんちんずっと可哀想じゃん!」      こんな取っ組み合い久し振り過ぎて、力加減がわからない。遠慮して手加減しちゃう方は結局負けるんだよね。呆気なく床に押し倒されて、ズボンと下着をとられた。 「わぁぁ、肇こんなに勃ってるのに、いっつも我慢してたの?」 「恥ずかしいから、そんな見るなよ」 「毎日俺の見てる癖に」 「それとこれとは別だし何だよ毎日なんて見てないだろ」 「何が別なの。ねっ、ねっ、ゆっくりお尻おろしていけばいいんだよね?」  もうどうにでもなれと言う気持ちと弟には逆らえない気持ちと、仰向けの体勢から見るお尻を降ろそうとしてる都筑があまりにエロく見えて、正直身動き取れないってのが幼い本音。  先を自分のお尻の穴にあてて、そっと腰をおろしてく。よく解れてたそこは、難なく僕自身を飲み込んでいった。 「入ったよ?痛くなかった」 「僕も、ビックリしてる」 「肇起き上がれる?このままギューってしてほしいんだけど……」 「いいよ」 都筑のお尻から出ないようにゆっくりと起き上がりながら、自分と同じくらいの体型の都筑を抱き締める。こないだの身体測定では身長も体重も同じ。同じくらいというか同じ人間がもう一人いるような僕ら。 そうか、1人に戻ったんだね。   「なんか、幸せだね。あったかい」 「そうだね」 2人とも細身な身体。もちろん胸なんてない。それでも、抱き合うだけで気持ちは満たされていく。ずっと、世界に2人だけの感覚を味わっていたい。そんな静寂を破るのはやっぱり都筑だった。 「肇、俺……お尻がむずむずしてきたんだけど…動いてみてくれる?」 小声で言ってきた都筑に、さっきまでの理性はどこへやら、床に倒してぎこちなく腰を動かす。あそこが温かいし、なんだか締め付けられてて気持ちいい。そんな思いをさせてくれてるのは都筑なんだって考えると、気持ちが高ぶって、今まで臆病になってたのが嘘のように夢中で動いた。 「肇、肇、待ってよぉ、お尻変だよ~」 少し泣き声の都筑。いつもなら優しくしたいところだけど、今はそれも興奮する材料になってしまう。 「ごめん、なんか、とまんない」 「ふぇ~~~、ッヒック、」  本格的に泣き始めたかも。ヤバいかな。 どうにか宥めようと口付ける。動きながらだから、口が掠めていくだけになる。どうしたら…。腰の動きをとめて、初めて都筑の口の中に舌を入れてみる。こっちも温かい。 「んふ~、ふっ、んん、んっ」  なんだか肇が急に強引になった。こんな肇知らない。お尻はまだたまに気持ちいくらいだけど、口が気持ちい、どうしよう、やっぱり幸せだよ、お母さんごめんなさい、お父さんごめんなさい、肇が大好きなんだ……。また動きだした肇から、温かいものが出た。あっ、俺のお尻でイケたんだ…。安心したら一気に睡魔が襲ってきた。  目が覚めたら、心配そうな肇の顔が目の前にあった。 「ごめんね都筑。都筑待ってって言ったのに、なんか止まらなくなっちゃって…。眠ったんだか気を失ってるんだか分からなくて、怖かった…」 泣きそうな顔してるお兄ちゃん。あんまり俺には見せない顔だね。肇の顔を両手で引き寄せて軽くキスする。 「大丈夫だよ。肇が俺で興奮してくれてるんだって嬉しかった」 照れ臭そうに笑いながらもはっきりと言ってくれる。どうしようもないくらい好きで、世界で1人しかいない都筑。でも、弟。僕、間違ってるよね…。僕達間違えたよね。  幸せな反面、後悔する気持ちが大きくなっていったんだ。

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