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第10話 肇と戸籍と

 こないだの後悔はどこへやら。僕は都筑との行為にハマってしまっていた。都筑も、段々とお尻も気持ちよくなってきたみたいで、可愛い声を出してくれる時もあって、その声だけでもドキドキする。「はーじめ、したいなぁ…」「1人に戻りたいなぁ」なんて甘えてこられた日にはもう!親が帰ってくるまでの間なんて短い!夜まで朝までずっとこうしてくっついていたいねって気持ちになる。  ほんとに、僕の世界には都筑だけいてくれればいいんだって考えてしまうよ。僕と都筑二人しか存在しない世界に行けたらいいのにね。現実をみると、やっぱり僕と都筑が双子ってのは紛れもない事実で…。  物語とかでよくありがちな、実は双子じゃなく、どちらかが貰われてきた子で双子として育てられたって展開も想像して、少しだけ期待したんだ。  都筑には内緒で1人で学校の帰りに市役所に行って、戸籍をとってみた。ほんの1%の期待だったんだけどね。結果は、まぁ、分かってはいたけど残りの99%の方で。本物の双子ですよって、事実を突き付けられただけに終わった。  もう希望はなくなった。僕と都筑は世間も、家族も、神様も許してくれないだろう近親相姦てのをした双子なんだ……。

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