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第2話

すーすーと目の前で寝息をたてる無防備な顔を真正面から眺め、俺はその乱れた前髪をゆっくりと撫で付けた。 …イケメン… 改めてその顔をじっと見つめると、仕事も出来るし人柄もいい、人生勝ち組ってヤツのそれだと再認識する。 だが…俺と出会った時、奴の態度は最低だった。 まさか三十歳の誕生日目前にずっと苦手だった相手が恋人になり、同棲にまでこぎつけるとは。 しかも相手は同じ男… …不思議だ。 去年はこんな事になるなんて、微塵も思っていなかった。 それは自分は女の子が好きなんだと思い込んでいたから…? だって、普通はそうでしょ? 固定観念からなのか、それとも…もっと本質的な事なのか…。 思い返せば俺に告白してきたのはいつも同性だった。 もちろん冗談だと本気にはした事はなかったのだが、もしかして昔から俺はこっち側の人間に好かれる体質だったのだろうか。 だから女の子達には見向きもされず、その気配を感じ取った男どもが俺に近づいたのか。 …ま、今さらそんな事はどうでもいいか。 額に置き忘れたままの手のひら、その暖かな感触が心地いい。 今は恋人との触れ合いを楽しんでいたい…。 「んー…しゅーじ…おはよ」 「はよ、ミキ」 前髪を撫で付けていた手でそのまま後ろに向かって髪を梳き、頭を引き寄せ唇を重ねた。 チュッとリップ音を一つさせてから間近で見つめ合うが…うーん…いつまでも慣れない…。 直ぐに目を逸らして触れていた手も引っ込めた。 「そ…そろそろ起きて朝メ…いッ!」 面と向かって長時間ベタな触れ合いが出来ないでいる俺を揶揄うように、ミキは俺の耳朶を引っ張った。 「ゴメンね、痛かった?じゃあお詫びにイイコトしたげる」 「え、何?あッ…」 もぞもぞと布団の中に潜るミキ。 俺の右脚をミキの腰に絡め、ぬるぬるとした感触が胸から下へと移動していく。

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