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第十六章 碧色の涙⑩

 暗い和室に、銃声が鳴り響く。祈の頭が一瞬、びくんと弾け、そして、彼の身体ごと、ゆっくりと、床に落ちた。壁にかけてあったカレンダー。その、目を見張るような美しく眩しいオーシャンブルーには、彼の脳味噌の血が鮮やかに飛び散り、残酷な赤と青のコントラストを生み出していた。

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