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第9話 6月26日 23:50 夢?
深夜、ふと人の気配を感じたような気がした。
また、いつもの夢だったんだろうか。
それとも……
ベッドに横になったまま睡眠と覚醒の狭間を漂っている俺の意識は、それすらはっきり判別できない。
そうしている間に、その気配は俺に近づいた。
「――ん……」
ふわりと、唇に優しい感触が降りた。
次いで、首筋に。
「ん……ふ、ぁ……っ」
触れられた箇所がぞくりと熱くなり、じりじりと痺れるような感覚が広がっていく。
夢なのかそうでないのか分からないまま、与えられる熱をただ享受していた。
だが、相手はそれ以上触れてはこなかった。
ただ一言、耳元で小さな囁き声が聞こえた。
「――文さんを守るのは、俺です……」
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