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勘違い。(信side)

自分の、衝撃的な性癖が発覚してから。 俺は、彼を避け続けた。 まさか、彼がそれを気にするなんて、思わなかった。 「なぁ。」 ある日たまたま、人気の少ない廊下で、呼び止められた。 (だ、から、その声、ヤバい。) 一気に、支配されるみたいで。 またヤバくなった顔は、俯いて隠し。 「なん、ですか?」 と、お伺いを立てる。 「んー、お前さ、俺のこと嫌いなの?」 (えっ、なんでそんな勘違い、するの?) 「ち、違っ……」 思わず顔を上げて、目を見張る。 前髪の隙間から見る、彼の目。 なんか、全部飛んでった。 「好き、好き、です…っ!…だ、からっ、…う、嬉しっすぎ、て…」 「イキそ、なのにッ……」 あ。馬鹿バカばか!余計なことまで……。 お、終わった……。彼に悪い意味で目をつけられたら……死ぬ。社会的に。 「ん〜。ま、いいか。突然悪かったな。行っていい。」 「……h、はい……っ」 踵を返して、小走りに去る。 (うわ、俺、明日からどうしよ……) もう、頭抱えるしかない。

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