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第15話

 「ごめんね。女の子に重いもの持たせちゃって。」 そう言って8畳ほどの畳の部屋に質素なテーブルが置いてある部屋でどこかで作ったのだろうか少し歪な水玉模様のガラスのコップに麦茶を入れて出してくれた。 「別に女だから。とか言われるの好きじゃないから気にしないで」 反対側で男の子が笑ったのがなんとなくわかった。  「ところであれはなんなの?」 部屋の隅に置かれた箱から時たま水の音がすることから運んでいた時は気がつかなかったが中の魚はどうやら生きているようだ。 「よかったら食べていく?思ってたより沢山もらっちゃって」 困ったように眉を下げてそういうと蓋を開けて中身を見せてくれた。 そこにはツヤツヤと輝きながら狭い箱の中をゆらゆらと泳ぐイカが何匹もいた。 すっかりご飯をいただいて食べながら色々な話をした。 年は高校3年生の18歳。 名前はなんとなく舞衣とだけ教えた。苗字を言って狭い島内だ。兄のことをしている人だったら「あー、妹さんなんだ。似てるね」なんて言われたくないし、兄のことは好きだが「似ている」と言われると複雑な気持ちになる。 島には兄を実家に連れ戻すために来たことも教えた。 なんだがあたしばっかり喋っていて彼は自分のことをあまり話していなかったように思うが今はその彼の距離感が心地よくていらないことまでたくさん話した気がする。

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