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第10話
両親に先輩のことは伏せ、学校でのことを話し転校したい有無を伝えた
両親は二つ返事で頷き、新しい学校を探してくれた
僕はΩ特別支援の寮制の学校へ転校した
Ωしか居ないこの学校は襲われる心配もなく、とても安心できる場所だった
秋音や両親に会えないのは少し寂しかったが、クラスメイトは暖かく向かい入れてくれて友人もできた
学校生活を楽しく送れるようになってきた頃、僕の体に変化が起きた
初めは体が怠く、酷い眠気に襲われる日が増えた
食事を前にすると少し気分が悪くなり食欲が減った
不思議に思いつつも体調不良だろうと食べれる時に食べられる分だけ食べて過ごしていて気がついた
発情期が来ていない
Ωの発情期は3ヶ月に一度、必ず来るものだ
その発情期が前回来てから1度も来ていなかった
Ωの発情期が止まる時、それは
「妊娠、してる…?」
なぜ気が付かなかったのか
少し膨れた自分の腹
まさか、この中に
「先輩の、赤ちゃん」
外出届を提出し、病院へ向かう
先生に告げられたのは妊娠6ヶ月
男性のΩは妊娠してもあまり腹が膨らまない
そのため悪阻が軽い場合、妊娠発覚が遅れることも少なくないと言う
僕の腹も6ヶ月の子どもが居るとは思えない、薄ら膨らみを感じるくらいだった
それでもエコーで腹の中を見せてもらうと、確かにそこに子どもの存在を確認できた
中絶について今ならギリギリ間に合うと伝えられたが、子どもの姿を見た僕の気持ちは決まっていた
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