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第11話

貰ったエコー写真と父子手帳を手に、久しぶりの実家に帰る 事前に連絡を入れたため、父が駅まで車で迎えに来てくれていた 家に着き、母も秋音も暖かく僕を迎えてくれた ご飯を用意しているから食べようと言う母の言葉を遮り家族に伝えた 「僕、妊娠してるんだ」 家族は動きを止め、驚いて目を見開く それもそうだろう 番もおらず、独り身の僕が妊娠しているなどと誰も思うまい 「誰の、発情期の、時の?でも、薬、飲んでいたわよね、どうして、」 「相手は言わない。この子は1人で育てる」 「そんな、無理よ!貴方はまだ高校生で、」 「なぜ言えない」 母の言葉を遮り、厳しい声で父が言った 「孕ませておきながら挨拶にも来ない、そんな相手なのか」 「違う!」 父の言葉につい声を荒げてしまった 先輩はそんな人じゃない 「…彼は、僕のヒートに巻き込まれただけだから。相手は、僕が妊娠してることを知らない」 母はとうとう泣き出し、秋音はそんな母を支える 父は顔を顰め、何か言いたそうに口を開くが言葉は出てこなかった 「お願いします。産ませて下さい」

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