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第13話
「どうしたの?あら、黒田 くん」
僕がリビングに戻ってこないことを不思議に思ったのだろう、母も玄関に来て神妙な顔をする僕らを不思議そうに見つめていた
「お邪魔しています。あの、お話があるのですが、お父様はご在宅ですか」
「ごめんなさい、夫はまだ仕事から帰っていないのよ。もう少しで帰ってくるから、上がっていて」
「ありがとうございます」
先輩は人当たりのいい顔をして勧められるままに家に上がった
秋音は気まずそうな顔をして、僕を見る
「…達郎ね、秋葉が転校してからもずっと秋葉に会わせろって。私も今まではずっと黙っていたんだけど、達郎に、秋葉を、襲ったって、言われて」
「違う!」
「…それで、ついじゃあお腹の子は、って問い詰めちゃったの」
「っ、」
「ごめんね、秋葉。勝手に話してごめん。辛い時、何も出来なくて、ごめんね」
秋音はついには泣き出した
心の優しい秋音
先輩の想い人である秋音
結ばれるべきなのは秋音と先輩であって僕じゃない
どうしてこうなってしまったのだろう
僕も、この腹の子も、先輩にとって邪魔者になってしまった
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