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第15話
ガツっと何かが打つかる音がして驚いて顔を上げる
父が先輩を殴っていた
「やめて!」
先輩を庇うように前に立ち、父を睨みつける
「先輩は僕のヒートに当てられただけ!悪いのは僕!先輩は被害、」
「当てられたのは最初の1回だけだよ」
「え、」
「2度目は俺の意思で秋葉を抱いた。妊娠すればいいと思って、中に出した」
「…うそ、」
「本当。秋葉が他のやつにも体を許したと思うと、嫉妬心が抑えられなかった」
「っ、違う、先輩が、僕に嫉妬するわけない!先輩は、秋音が、」
「確かに初めは秋音のことが好きだった。秋葉に秋音を重ねていた。けど、すぐに秋葉のことを好きになっていたよ」
信じられない言葉に、体が震える
「…うそ、」
「本当だ。秋葉のことを愛してる」
逃げられないように強く、それでも優しく抱きしめられ我慢していたものが弾けた
僕は子どものように先輩の腕の中で大声で泣いた
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