16 / 31
第16話
「それで、どう責任を取るつもりかな」
僕が泣き止み、落ち着きを見せると父が先輩に聞く
僕が口を開く前に、先輩が父を見据えて言った
「番になり、籍も入れさせて貰います」
先輩の言葉に目を見開く
「それで良いのか、秋葉」
父は驚き言葉を失くす僕に問う
「…僕で、いいの」
「秋葉じゃないとダメだ」
「僕、男だよ」
「知ってる」
「秋音みたいに、優しくないよ」
「秋葉ほど優しい人は知らないよ」
「秋音みたいに、笑えないよ」
「秋葉の笑顔が好きなんだ」
「秋音みたいに、」
「秋葉」
呆然と先輩に問う僕に、先輩は言った
「俺は秋葉を愛しているんだ。番になって、結婚してくれるか?」
「っ、」
涙がまた溢れてきて声にならなかったかもしれない
それでも、僕は精一杯答えた
「はい…っ」
ともだちにシェアしよう!