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『嫉妬』第3話

「え、秋葉くんまだ18なの?」 「若!」 子どもが好きだから、と新のことを構ってくれていた双葉(ふたば)さんと(あかつき)さんの2人と世間話をしている中で年齢を聞かれたので答えるとひどく驚かれた まあ、世間一般では未成年で子どもを産むのは早い方だろう 「いいなぁ、達郎のやつ。幼妻じゃん」 「達郎さんもまだ10代ですけどね」 「あ、そっか。あいつ大人びてるから未成年なの忘れてた。どこで知り合ったの?」 「お前、プライベートなこと聞きすぎ」 興味津々で聞く双葉さんの頭を暁さんが叩いて止める 「あ、ごめん。普段達郎が教えてくれないからさ」 双葉さんは申し訳なさそうに謝るが、悪意がなく聞いているのが伝わっていたのであまり気にならなかった 「いえ、大丈夫です。達郎さんとは同じ高校だったんです。姉が達郎さんが所属する部活のマネージャーをやっていたので、姉を通して知り合いました」 「へえ、秋葉くんのお姉ちゃんなら美人だろうね」 「はい、僕と比べ物にならないくらい美人で自慢の姉です」 「いや、秋葉くんも相当びじ、」 「人の番を口説かないでもらえますか」 突然背中に温もりを感じ驚いたが、嗅ぎ慣れた香りにほっと息を吐く 「ちょ、怖えな!威嚇すんなよ!お前が秋葉くん溺愛してるのは知ってるから、手出すわけねえじゃん!」 「え、」 双葉さんの思わぬ言葉に目を見開き達郎さんに顔を向ける 双葉さんは反撃開始とでも言うように言葉を重ねる 暁さんもニヤニヤと笑いながら双葉さんに加勢した 「こいつさ、この顔だから客に逆ナンされるんだけど番と子どもが居ますからーって即断んの。まじで即答!」 「そうそう。証拠見せるまで諦めないってしつこい客も居たんだけど、秋葉くんとのトークのやり取りと新くんの写真見せて黙らせたから」 「途中から周りの存在忘れて惚気話始めるし、達郎そっくりな新くんの写真見せられたら諦めるしかねえよな!」 「今では達郎の惚気聞きに来たり新くんの成長聞きに来る客も増えたくらい。だからさ、こんな職種で不安もあるだろうけど安心してな」 僕と達郎さんは再び2人して顔を赤くして、双葉さん達に散々揶揄われた 先程感じた胸の痛みは気付けばどこかへ消え去っていた

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