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『嫉妬』第4話
暫くして店が開き客が入ってくる
先程の話は本当のようで新のことを知っている客が多く、構ってもらった新はとても喜んでいた
僕も挨拶をすると何故か皆さんに喜ばれた
今日は新が居るからと光一さんが全席禁煙にしたが誰も文句も言わず、離乳食と授乳を済ませ眠そうにする新を見て小声になる始末
皆さんに気を遣わせて申し訳ないからと帰ろうとすると、癒しになっているから迷惑だと思って帰ろうとしないでいいと止められた
なんて温かい人たちなのだろう
「あれ、新寝た?」
仕事をしながらもちらちらとこちらを伺っていた達郎さんが新が限界を迎えたことに気付き寄ってくる
「うん、寝た。この時間に大好きなお父さんに会えて興奮してたから疲れたのかも」
「はは、確かに。俺も嬉しかった」
天使のような寝顔を見せる新の額を撫で、達郎さんが優しく笑う
「送ってく。ベッドで寝かしてやって」
「電車で帰れるよ」
「ダメ、危ない。そこの裏口から先出てて」
達郎さんは光一さんに話をしに行ってしまい、渋々裏口へ向かう
お客さんや双葉さん達に帰ることと感謝の気持ちを伝えると、また来てと温かい言葉を貰い胸が熱くなった
裏口に出ると外はもう暗くなり肌寒くなっていた
上着の合わせを手繰り寄せ、新が冷えないよう温めながら達郎さんが来るのを待つ
扉が開く音がしたので振り向くと、そこに居たのは顰めっ面の歩さん
「あ、えっと、今日はありがとうございました。お仕事中なのにお邪魔してすみませんでした」
気まずく思いながらも声を掛けると、歩さんは僕を一瞥して鼻で笑う
「ほんと、邪魔だった。ここは託児所じゃないんだよね。客はああ言ってたけど内心迷惑してたから。もう二度と来ないで」
吐き捨てるように言われ、目を丸くする僕に追い討ちをかけた
「大体、あんたみたいなのが番だって達郎に紹介させて恥ずかしくないの?新くんは達郎に似てよかったよね、可愛いから。てか、本当にあんたの子?どこも似てないけど」
思ったよりも辛辣な言葉に面食らう
確かに新は達郎さんによく似ていて、僕にあまり似ていない
けど、新は僕が僕のお腹の中で育てて腹を痛めて産んだ子だ
それを他人に言われるのは看過できなかった
「僕が劣ってるのは知っています。でも、達郎さんの番は僕だし、新は僕が産んだ子です。それは変わらないし変えられない事実なので僕は恥ずかしいとは思いません」
僕に反論されるとは思わなかったのか、歩さんが目を見張った
が、すぐに顔を歪め僕を睨みつけると口を開いた
「ふざけ、」
「秋葉」
扉が開き、達郎さんが店から出てくる
歩さんはハッとして達郎さんを見るが、達郎さんは真っ直ぐ僕の元へ来た
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