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No.18 無題

雨の匂いに誘われて、ふらりと外へ出た。遠い夏に閉じ込めたはずの面影は、いつも唐突に蘇る。 締め付けられるくらいに切なくなるのは、選んだ別れが決して間違いではないと思うから。 キミノタメニ。 あの日、彼の髪を濡らした愛しい雨は心を刺す針となって、着物の袂を重く濡らしていく。 夏は終わった。

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