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第2話

翌日、名ばかり部員になってしまっていたサークルを辞めた。 彼とは学部が違うため、サークルという接点が完全に切れれば彼と会うことはないだろう。 ある意味良いきっかけだったのだろうと自分に言い聞かせ、バイトに専念することにした。 バイト先は居酒屋だがランチもしているため、空いている間は昼も夜もなくシフトを入れた。 特別金が必要なわけではなかったが、忙しいくらいが余計なことを考えずに済む。 この際、金を貯めて1年くらい留学するのも良いかもしれない。 バイト三昧で今のコミュニティはバイト先くらいだが、バイト先はビジネスライクで、たまに飲みに行くバイト仲間は若干1名。 飲みに行くといっても一緒にシフトが入っていたら飲むという感じのためほとんどはお互いの家で明け方までだらだらと宅飲みというのがほとんどで、今日も俺の家にて深夜からはじまった酒盛りは明け方まで続き、早朝からべろべろに酔ったバイト仲間をタクシーへ詰め込み帰らせた。 やれやれと、部屋に戻ると珍しくLINEが入っていた。 送り主は、もう連絡をとることなどないと思っていた彼で、今日会えないかというものだった。 言い逃げした卑怯な俺を、誠実な彼はきちんと振ってくれるのだろう。 申し訳ない気持ちになりながら、了承の返事を送る。 そのLINEのやりとりは、いつになくあまりにも事務的で涙がでてきた。 もう、彼との関係は修復できないのだと、確信した。 … サークル終わりにと、彼が俺のアパートに寄ってくれたのは夜の11時だった。 その待ち時間は長くも感じたし、短くも感じた。 長らくサークルから離れていてイベントなんかは覚えていないがサークルの飲み会が入っていたのか、彼は少し酔っている様子だった。 俺との予定なんてずらしてもよかったのに律儀に来てくれたことに申し訳なく思いつつ部屋に招き入れると、彼は突然に俺の襟首を掴み、ベッドへと押し倒した。 突然のことで訳がわからずに掴まれた腕を離そうとすると、顔を歪めて彼は言った。 「おれのこと、好きなんだろ。」 そうだよ、ごめん。 そう言って抵抗をやめた俺を、彼は抱いた。 男を好きになったのは彼が初めてで、セックスするのも初めてのことだったが、それは多分恋人同士のように優しく抱かれた。 あまりにも突然の展開に頭が追い付かなかったが、体が動かないまま夢半分でベッドに横になっていると、シャワーを浴びてすっかり着替えてしまった彼はベッドに乱雑に一万円札を置いた。 驚いてちらりと見てしまった彼は顔を歪ませていて、俺を一瞥もくれず出ていってしまった。 … 数日後、風の噂で彼とあの子が付き合うことになったと聞いた。

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