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くっつき虫。

「それじゃあ、行ってくる。長期休暇には帰ってくるから。」 「2人ともいい子でねっ。」 「はい、父さん仕事頑張って。義母さんもいってらっしゃい。 ……あー、光貴?いってらっしゃいって言わない?」 「ん、ばいばい?」 子供かっっ!!いや、めっちゃ子供っぽいけども!なんせ、俺が風呂の時と勉強してる時以外はほぼくっついてくるんだから!てか抱きついてくる?! 言うて俺が勉強しててもあっちが暇だと俺の部屋入ってきて後ろで体育座りで観察してくるんだぞ俺のプライベートゾーンはどこ?!?! 今も!俺は義母さんたちと向き合ってんのにこの人は背向けて俺に抱きついてくんくんほわほわすりすりしてる。 マジで恥ずいんだけど俺スルー能力高いけど羞恥心はそれなりにあるよ?! 「ふふふ、仲良くやれそうで安心ね。あ、そうだ嘉風くん耳貸して?」 ん?なんだ? 「(我慢出来なくなったら襲っていいからね?)」 「(!?さすがにしませんからっ!)」 うふふふ、じゃないからね義母さん?!シャレにならんこと言わないで?本当に襲ったらどーすんの?! 正直あんま自信ないけどさ!無理だったら心を鬼にして引き剥がすから!! どこまでもニヤニヤとしながら2人は出かけていった。やーうん、俺の性癖理解してくれてるだけ嬉しいけども。 あー、こっからマジの生殺しだ。我慢大会だ、拷問だ。はぁぁぁ……なんでうちの義兄はイケメンなんだ……。 「はあ、もうなんか二度寝の気分じゃないし、俺朝ご飯作るよ。だから一旦離れて?」 「ん、、手伝う。」 「一緒に作ってくれんの?」 「ん、」 義兄がやっと体を離した、と思ったら何故か手を繋がれた。……うん、もう何もツッコむまい。義兄はスキンシップが激しい、うん俺覚えた。 キッチンで、さぁ朝ご飯だ、と手分けして作ろうとしたのだけれど、大事なことを忘れていた。 「光貴、学校って弁当?」 「購買。……でも、つくってくれる?」 「わかった、作る。でも今日は……」 んー、と。あぁ、冷蔵庫には意外と食材あるし作れそうかな。 「うん、まぁ凝ったものは作れないけど簡単にお弁当作るよ。」 「わ、……」 義兄、その反応、喜んだの? ま、まぁ、今度からはちゃんと夜に下拵えとかするかぁー!(照)1人で作って1人で食うわけじゃないんだし。 などと考えながら一緒にごはんを作っていたら、義兄が謎にパタパタと二階へ。多分自分の部屋に戻った。 ??? 義兄はいつも行動が謎だ。 「って、ちゃっかり具材切るの終わらせてるのかよ……」 いつのまに……? パタパタパタパタ……あ、戻ってきた。手になんか抱えてる? 「ん、、これ……!」 ずい、と突き出されたのはお弁当箱。OKOK、理解した。 「これに詰めればいいんだな。わかった。」 どことなく、嬉しそうな雰囲気の漂う義兄。そのウキウキっぷりにくすぐったくなって、思わず頭を撫でていた。

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