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すべての道はヒモに続く 4

 ……ただ最初の頃はそれでも良かったけれど、一緒に住むようになって時間が経つと、実は全然体が満足していないということに気づいてしまった。  身長が高いばかりで体重が追い付いていないせいか、地味な黒髪のせいか、がつがつしていないように見えるらしいけれど俺だって男だ。性欲はある。むしろ人より強いのかもしれない。  しかし家にいる超絶好みの顔のいい男が用があるのは俺の血液だけで、体自体には興味がないらしい。  当たり前だ。彼だったらどんな美女だって選びたい放題だろうから。  それこそ、もっと都合のいい相手が見つかったら簡単によそへ移るだろう。そんなの時間の問題だ。 「やっぱり、ちゃんとした恋人作るべきだよなぁ……」  ヒバリさんほどは高望みだとわかっているけど、イケメン趣味は性癖だから変えられない。  初恋の相手が「優しくてかっこいいお医者さん」だったばっかりに、目覚めたばかりだった俺の自我はしっかりとそのイメージに固定されてしまった。  男である俺が「男が好き」というだけでもイバラの道だというのに、そこにわかりやすいイケメン好きという性癖が加わると、俺が欲を満たすためには「性格」の部分を捨てるしか道がなかった。  結果、俺が付き合うのは顔がいいだけの問題ある男ばかり。  その最たる人が間違いなくヒバリさんだろう。  めちゃくちゃ顔のいい吸血鬼なんて、我ながら吹っ切れすぎだ。  毎日帰ってきてこの顔が見られることも、その人に気持ち良くしてもらえることもとても楽しいことだけど、このままじゃいけないってこともわかっている。  だって、エッチしたい。  なんかこう、普通の恋人みたいにデートしたりイチャイチャしたり少し乱暴めに抱かれたり、そういうことをしてみたい。なにより体が欲求不満でどうにかなりそうだ。  だから同居人とかセフレとかヒモとかじゃなくて、ちゃんとした恋人を作るべきなんだと思う。  できるだけまともで、ちゃんとした仕事を持っていて、俺のことを好きになってくれそうな相手。  ……まあ、そんな相手が簡単に見つかるのなら、誰も苦労はしないんだろうけど。  

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