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第5話

女官が女御になるのは、大出世 だった。普通は有り得ない。 『何か落ち着かない』 麗はいつも何かしら仕事をして いたので、何かしないと落ち着か なくなっていた。 「失礼します」 『はい。どうぞ』 「私は、今日から麗様の  お世話を担当する  雅也と申します」 『世話?私の』 「はい。女御になられた  お方にはお世話係り  がつきます」 『そう、なんですか』 麗はさらに不安になった。 (やっと家に帰れると  思ったのに) 早く家に帰って家族に会いたかった。 (もう一度頼んでみよう) 麗は無理かもしれないと思ったが 一度でいいから帰りたいと願って いた。

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