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第18話《Ⅲ章》教えて、お狐様②
「俺はッ」
「なんだ?」
仮面の下の双眼が見つめる。
たったそれだけで心臓が早鐘を打つ。相手が神様だから?
「ゲイじゃありません」
「そうなのか?だが、お主の好きな大佐和路夜は男だぞ」
うっ、それはさっき俺も悩んでいたところ。
「……じゃあ、俺はゲイになった方がいいんでしょうか」
「その願いは聞き届けられぬな。お主は既にゲイだ」
うううっ、断言された。
(俺、ゲイになった)
「それで願いは決まったか」
神様は俺の願いを叶えるために現れてくれたのだから、お願い事をしないと失礼だよな。
(でも……)
大佐和先輩の気持ちを知りたい。
(先輩の好きな人って誰なんだろう)
人の心の中を覗き見るような願い事していいんだろうか。
「人の子よ、申せ」
穏やかな声にビクンッとなる。俺、言っていいの?
願ってもいいの?
「先輩の……」
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