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第24話《Ⅳ章》訪問者は突然に①

 しまったー!!  ストレートに聞きすぎた。 (気を悪くしただろうか)  気を悪くしたよね、絶対。アアア〜 「すいません」  ペコリ  90度の最敬礼。 「ぉわっ」 「あわっ」  間一髪だった。上先輩が避けてくれなかったらぶつかってた。 「度々すいません」 「いいよ、頭を上げて」  申し訳なく思いながら、恐る恐る視線を上げた。 「僕は生徒会会長・星野敬司です」 「あ、通りで」  見た事があると思った。 「入学式で挨拶した人」 「思い出してくれて、ありがとう」 「忘れてしまってて、すいません」  うっ。緊張のあまり、また変な挨拶を。 「あのっ」 「君はいい子だね」 「えっ」 「いつも路夜から聞いている」 (先輩が、俺の話してる……)  気恥ずかしいような……  それでいて嬉しいような……  胸の奥、ぽっと暖かな火が灯ったみたい。 「生徒会長なんて、生徒会にでも入らないと接触の機会なんてないから。分からなくて当然だよ」  穏やかに微笑む星野会長はいい人だ。 「大佐和先輩への手紙も生徒会関係ですか」 「えっ」 「あっ」  口にしてしまって、ハッとする。  不躾な質問をまたしてしまった。第三者に知られたくないから、手紙にしているのに。 「ごめんなさい、俺っ」 「いや、構わないよ」  会長は穏やかに微笑んだ。 「手紙はラブレターです」  エエェエエーッ!!  まさか、まさか。  会長が先輩の好きな人!?

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