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第51話《Ⅷ章》無敵の王子様③

 カランカラン  先輩の手からモップが滑り落ちた。  直後。  肉と肉、骨と骨のぶつかる音が轟いた。  鮮やかな廻し蹴りが男の顔面から首にキマる。 「おっと」  ガラガラがシャン  すとん  派手な音を立ててロッカーまで男が吹き飛んだ後、先輩が尻餅をついた。 「先輩、大丈夫ですかっ」 「いててっ、今度廻し蹴りの練習もバレーのウォーミングアップに組み込んどこ」  軽口を叩いて先輩が俺の手に掴まった。 「ありがと、姫」

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