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第59話《Ⅹ章》会長はほんとうに会長②

 言わずと知れた星龍会。 「おまわりさんの敵だよ」 「知ってます!」  一般人の俺だって、その名を知る全国的な組織だ。  星野・笹原兄弟のお父さんは、星龍会組長。  ヒエエェェェー 「そこに控える加納も一時の感情で暴走しなければ、優秀な構成員だ」  口調が冷たく威厳のあるものに変わる。会長が星龍会モードに入った。ヒィっ 「どうしたの?ビックリして。パッチリ目を見開いた顔も可愛いね」  わっ、会長の手が伸びてきた。俺のほっぺた撫で撫でするのかな。 「わっ」  強い力に引っ張られる。今度は何だ? 「気安く俺の姫に触らないでくれる」 「俺の、ね……」 「先輩?会長?」  空気が不穏だ。どうしたんだろう。 「呼ぶのは俺だけにして」  先輩に怒られてしまった。俺、悪くないのに。 「ま、いいよ。そんな事言えるのも今のうちだけだ」  不遜に流す視線にゾクリとドキリが同時に入り混じる。こんな気持になるのは、なぜだろう。 「結果として君達を拉致監禁してしまったが、考えてくれたかな」  そうだ。  どうして俺達はこんな目に。会長はなぜ俺達を狙ったんだろう。 「当然、俺と姫を狙った目的は違うね」 「ご明察の通りだ」  先輩は既に会長の考えを読んでいる。

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