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第60話《Ⅹ章》会長はほんとうに会長③
「教えて下さい」
会長が俺と先輩を狙った訳。
「君達には報告する義務がある」
会長が頷いた。
「若っ」
ハッとして黒服の男、加納が立ち上がった。
「この件について若は関与していない。全部私の独断だ」
「加納」
「ここは私めに」
「俺に喋らせろ」
「はっ」
頭を下げて加納が下がった。星龍会モードの会長には逆らえない。
「路夜と姫崎君を狙った目的は違う。言いにくいが君が狙われたのは、たまたま路夜と一緒にいたから。運が悪かったと思ってくれ」
やっぱり……
ごく普通の高校生である俺が、星龍会に狙われるなんてあり得ないもんね。
(じゃあ会長は、どうして狙われたの)
何かまずい事に首を突っ込んでしまったのか。
「会長!……いえ、若!先輩がご無礼を働いたかも知れませんが、どうか命だけはッ!」
「「姫!?」!?」
「姫崎君!?」
先輩とお狐様、それに会長……じゃない。若ご自身も焦っている。
俺、変なこと言った?
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