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第61話《Ⅹ章》会長はほんとうに会長④
「一先ず『若』はやめよっか」
「はい」
でも何て呼べば?
「次期組長!……あれ?でも『星龍会』だから次期会長?」
組長?会長?どっち?
「組長も会長もやめようか。生徒会会長として、これまで通り会長と呼んでもらえると嬉しいな」
「はい、会長」
「うん」
頷いた会長がほっとしている。俺、そんなに変なこと言ったんだ。ちょっと恥ずかしい。
「姫崎、言葉遣いに気をつけろよ。星龍会次期組長なんだから」
「こら。おかしなこと言わない。また姫崎君が混乱するだろう」
笹原の軽口から俺を庇ってくれる。
「ありがとうございます。次期組……」
「会長、ね」
「……会長〜」
「それでよし」
『会長』と自分を呼ばせた会長だけど、明らかに次期組長モードだった。ゾゾゾ〜(汗)
「では順を追って説明する」
会長が場を取り仕切る。
「もうすぐ文化祭がある事は知ってるかな」
「はい」
ミロク文化祭は来月だ。
「存じておりまするです!」
「ププー。姫崎、言い方」
俺、変だった?
「笹原が言葉遣いに気をつけろ、って言うから」
気を張って力が入ってしまったじゃないか。
コホン、と咳払いが響いた。
「続けていいかな」
「はい、次期組……」
じゃなかった★
「会長」
「よし」
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