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第64話《ⅩⅠ章》先輩と会長①
なんでっ??
どうしてっ??
頭を疑問符が殴打する。
「もしかして初めてだったの。耳たぶにキスされるのは?」
初めてです!
プルプルプル〜
首がもげるの覚悟で上下にブン回すつもりだったのに、驚愕のあまり震える小動物みたいになってる。
「小動物みたいだな」
会長にもそう見えている〜
つか平然と涼しげな顔で話を続ける会長だけど、キスは日常会話の一部じゃない。
「ヒャっ!」
突然、強い力に履き寄せら引き寄せられた。
「姫で遊ぶな」
「わっ」
先輩の顔が真上にある。近い!
俺、先輩の腕の中でぎゅっとされている。
「姫も姫だよ。もっと自覚を持って」
えっと……
「なんの自覚?」
「敬司にこんな事される隙を作らない」
隙?
「姫も悪いよ」
「ごめんなさい」
俺、悪いんだろうか。勢いに気圧されて謝ったけど〜
(はっ!)
これはもしかして。
そうだ、きっとそうに違いない。
「俺にわざとチョッカイ出して愛を確かめる作戦だ!」
「愛??」
「作戦??」
先輩と会長、二人が目を丸くしてお互いの顔をハッと見返した。
しまったー★
二人は両想いだけど、お互いに気づいていないんだ。
(俺がバラしてしまったその状況、すごくまずくない!!?)
「姫」
「姫崎君」
「はひ」
二人に挟まれて声が裏返ってしまう。
「それ」
「どういうこと?」
目が怖い。
ガクガク、ブルブル
体が震える。背筋を冷たい汗が伝う。
「ねぇ、姫崎君」
「ちゃんと説明してくれるよね?」
ガクガク、ブルブル
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