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第65話《ⅩⅠ章》先輩と会長②
これは最早、脅迫だ。
片やミロクバレーボール部トップ
片や星龍会次期トップ
二人のトップに脅されている。
威圧感がもの凄い。二人に挟まれた俺は、生きた心地がまるでしない。
「あの……」
「うん」
「どうぞ」
相槌を打たれただけなのに、ゾクリと背筋が震えた。
そして訪れる沈黙。
二人は俺の言葉を待っている。この沈黙さえ凶器だ。
「先に言っとくけど、ちゃんと俺の目を見て話してね」
「ううう〜」
(隠し事できない)
先輩の前では。
言うしかない……正直に言うしかないよぅ〜
ドキドキとゾワゾワが交錯する。
「視線が下を向いているぞ。上げられないのなら支えてやろう」
不意に伸びてきた指にクイっと、顎を持ち上げられた。
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