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第74話《ⅩⅠ章》先輩と会長11
「言ってみて……」
ふわりと声が降り注いだ。
「『それじゃあ』の後、教えて」
優しい声はどこまでも残酷で……
力なく首を振った。
言えない。そんなこと絶対、伝えられない。
「じゃあ、俺が言うよ」
ビクンッ
心臓が跳ね上がる。
「せんぱ……」
「しぃー」
人差し指を唇に当てられた。
「とても大切な話だから。俺も心臓がドキドキしてる」
先輩も?
ドキドキ
ドキドキ
ドキンッドキンッ
ドキンッドキンッ
うるさいくらい胸を穿つ心臓の音は俺?先輩?どっちのだろう。
「姫、君が好きです」
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