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第77話《ⅩⅠ章》先輩と会長14
先輩と俺が両想い。
夢みたい。
俺も先輩に伝えないと。ぎゅーだけじゃなく。温もりだけじゃなく。
言葉で。
俺も先輩のことが……
「す」
「そろそろいいかな?」
あらぬ方向。声が頭上に飛んできた。それも背後から。
「君はこっち」
「ふぇ」
かかえるように抱きすくめられて、引き離された。
「構ってくれないと拗ねるんだけど」
「星野かいちょ……」
「チュっ」
………!!!
えええ??
「………」
エエエエエーーー!?!?
「………★★★!!」
「どうしたの?」
「アフアフアフーッ★」
「お口が金魚さんだね」
俺、今日だけで何回お口が金魚さんになってるのっ!?
「おねだりかな?もっとしてほしい?」
「アフーッ★!!」
「ちょっ、俺の姫をからかわないでくれる?(💢!!)」
「アフフー」
先輩!
「路夜、邪魔しないでくれる?」
「どっちが邪魔してるか……空気読んでほしいな」
「そっくりそのまま君に返そうか。『君の姫』になった記憶はないけど?」
「じゃあ今、記憶して。俺の姫だよ」
「思い込みの激しさが姫崎君に感染ったら大変だ。唇、消毒しといて良かったよ……ね?」
……って〜!!俺に振らないで!!
険悪だ。
とても空気が険悪だ。
先輩と会長は、バレーボールのスパイカーとセッター。
相棒で、しかもちょっと前まで両想いなんじゃないかとさえ思ってたのに。
なぜ??
「姫」
「姫崎君」
「なぜ……」
「どうして……」
「「分からないのっ」かなっ」
ヒャアァァァァ〜♠
こういう時だけ息ピッタリだ。
「もういい。行くよ、姫」
「えっ、わっ!」
先輩に手をぎゅっと握られて、引っ張られた。
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